ワークフローシステムとは
会社の決まり事として、上司やさらにその上の役職の人に承認をもらう場合、これまでは紙で記載して判子を押してもらっていた。これをWebなどでシステム化したものである。
よくあるのは交通費などで、上司に承認をもらい、経理の担当者が確認して実際に交通費が振り込まれることになる。
管理者が管理画面からログインし、申請書と承認者の設定をすることで、ワークフローが簡単に構築できるようになる。
利用者は、割り当てられたIDとパスワードでワークフローシステムにログインし、申請や承認を実際に行うことになる。
一番基礎になる設計
ワークフロー画面設計
ワークフローは1種類ではなく、様々な業務ごとに別々のものが必要になる。画面レイアウトをカスタマイズしたり、必須項目を設定したりできる。
他にも印刷機能、ファイル添付機能、承認者のコメント欄などの設定ができる。
承認ルート設計
申請書ごとに承認者が変わってくるので、承認者の設定を行う。
(例)発注の承認は、「担当者→上長→部長」となる。
普通のフロー
申請-Aさん承認 - Bさん商人 - Dさん承認
並列フロー
ルートが分岐するフロー。
申請-Aさん承認 - Bさん承認 - Dさん承認
└ Cさん承認 ┘
ルート分岐
条件に応じて承認者をつけたり外したりする。
申請-Aさん承認 ------------ Dさん承認
└ Cさん承認 ┘ ←決済金額が1万円を超えたらCさん承認が必要など。
承認者の設定
承認ルートの設定は、個人を設定することもできるが、人によって上司は異なってくる。システム内に組織マスタを持ち、申請者から見た、「上長」、「部長」が自動で設定されるようにするのが一般的である。
他にも、特定部署のメンバーをグループ定義して、そのグループを承認者として割り当てることもできる。
(例)経理担当者グループ
申請に関する機能
起票
申請書を新規作成する。
取り消し
起票した申請書を取り消す。(再申請不可)
取り戻し
申請書に不備があった場合、取り戻して修正後、再申請できる。
代理申請
申請書の起票を担当者とは別の人が行うことができる。代理申請者は申請時に担当者を選択して申請する。ワークフローは担当者から見た上司の設定で流れることになる。
催促
なかなか承認してくれない人に、催促する機能。
根回し
実際の申請をする前に、必要な人に確認を行う機能。前もってやり取りして、そのやり取りした情報が、後から起票する申請書に紐づけられる。
承認に関する機能
承認
申請書を承認する。
否認
申請を却下する。ワークフローは「却下」で完了となるため、申請者が再申請することはできない。
承認取り消し
承認したものを取り消すことができる。上の承認者が未承認の場合に可能。
差し戻し
内容に不備がある場合、申請者に差し戻して修正してもらう。
合議
承認者に複数の人を設定して、その人たちの意見で処理が決まる。
全員一致、多数決など承認となる条件は選べる。
引上げ承認
承認ルートが「上長→部長→常務」となっていた場合、「上長」申請前でも「常務」がいきなり承認を行うことができる。
代理承認
承認者が別の人に承認権限を譲渡して、その人が代わりに承認することができる。
その他
参照設定
ワークフローは基本的に申請者と、承認者のみが閲覧できる。参照設定をすることで、参照設定された人もワークフローの参照が可能になる。
項目ごとの非表示設定
申請書の項目で、申請者には見せない項目など、表示、非表示を設定できる。