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1782:常磐開発がMBOを発表

私の保有する銘柄、常磐開発が2020年11月16日にMBOを発表しました。

保有銘柄がMOBとなるのは初めての経験なので、自分の勉強がてら記事にしてみました。

MBOとTOB

MBOはManagement Buyout(マネジメント・バイアウト)の略で、起業の経営陣が市場にある自社株を取得して経営権を取得すること。

TOBは(Take Over Bid)の略で、株式公開買い付けを意味します。期間と価格を明確にして、株主に売却を促します。

今回のケースでは、経営陣が経営権を取得するために、株式公開買い付けを発表したので、MBOのためにTOBを行うという事になります。

概要

エタニティ株式会社が、常磐開発の株式公開買い付けを行う。

買い付け期間は、2020年11月16日(月曜日)から2020年12月28日(月曜日)までの30営業日。

買い付け価格は、7,800円

買付予定数の下限は、522,700 株、上限は無し。

詳細

発表された「MBOの実施及び応募の推奨に関するお知らせ」を読んで気になったところをまとめます。

エタニティ株式会社は、常磐開発の佐川藤介会長が代表取締役を務める会社であり、2020年10月13日に、今回のMBOを主な目的に作られた会社だそうです。

最終的に目指しているのは、株式のすべてを取得して株式を非公開化すること。TOBで株式の3分の2を取得し、スクイーズアウト(少数株主を締め出す制度で残りの株式を取得する方法)を実施するそうです。

買付予定数の下限は、発行株式の66.67%(株式の3分の2)であり、これに満たない場合は買い付けを行わない。最終的には全ての株式取得を目指すのでTOBの買付数上限は無し。

筆頭株主の常磐興産株式会社(12.76%保有)、佐川氏(0.59%保有)、篠原氏(0.01%保有)は今回のTOBに応募することを決めており、13.36%の応募は決定している。

株式非公開後も、引き続き佐川氏及び篠原氏が経営を行う。

全株式(785,000株)から、自己株式(1,034株)とすでに応募が決まっている株)(104,700株)を除いた株式の過半数をTOB成立の条件とする。マジョリティ・オブ・マイノリティ(少数派の中の過半数)という、少数株主の過半数の応募が条件となる。(元々、全株式の3分の2を取得する際にこの条件を満たす必要がありますが、マジョリティ・オブ・マイノリティにも合致しているという事だと思います。)

資金調達は、みずほ銀行からら65億3,400万円を上限に借り入れる。

TOBが成立することを条件に期末配当を無配とする。(TOBが成立しない場合は配当を出すということ?)

今回のMBOの目的

東日本大震災の復興がひと段落して案件が減ってきている、コロナの影響で今後経営が厳しくなることが予想される。

長期的な視点で積極的な投資など、一時的な利益減やリスクを伴う政策も必要になるが、株価への影響を避けるため保守的な経営になってしまっている。

多額の先行投資を行う必要があり、一時的な減収、キャッシュフローの悪化が起こる可能性がある。

福島県を対象とした総合エネルギー事業を展開したい、M&A等戦略的投資を行いたい。建設ICTの導入を行いたい。首都圏展開も考えたい。

上場を維持する必要性、メリットがなくなってきている。上場を維持するコストの負担を減らしたい。

TOB価格について

市場株価法では5,482円から5,900円、類似公開会社比準法では6,812円から8,458円、DCF法では7,149円から8,520円が、価格レンジとなるとのこと。

直近の株価の値動きに対して、十分なプレミアムが乗っているとのこと。

考察

本日は、11月17日ですが、2日間連続ストップ高で、なんと7,930円、TOB価格の7,800円を超えてしまいました。どういうことでしょうか。

どうやら、このTOB価格は安すぎるという見方もあるようです。

現在の株価、7,930円でPBRは0.65倍ですので、理論的には1株当たり、12,200円の価値があるという事になります。帳簿通りに資産を売却できるという事は無いでしょうが、確かに7,800円では安すぎる気もします。

私はこのTOBは成立しない可能性が高いと思います。TOB価格を越えた値段で買っている方も同様の意見ということではないでしょうか。

自分はどうするか

私は、この株をNISAで持っています。

TOBが成立する前提であれば、TOBに応じて売却する場合も、スクイーズアウトまで待つ場合でも、20%の税率がかかってしまう為、ぜひともその前に、市場で売りたいところです。

(2022/06/35)
NISAの株を他社の公開買い付けに応募する場合、他社の特定口座、もしくは一般口座に移管することになる。移管後の売却では普通に税金がかかる。振り替える際にその日の終値をもとに計算された値が取得価格となる。TOBが行われている段階ではすでに価格が上昇しているはずで、上昇した価格が取得単価となるため、税金の損失はあまり考えなくても良さそう。

TOBが成立しない場合は、さらに高い価格でTOBが行われるか、他の第三者が手を上げる可能性もあります。配当も高いのでこのまま持っておいてもいいと思っています。

今の気持ちは、NISAで持っていることと、TOB価格を越えて上昇していることから、なるべく高いところで売りたいと思っています。

このままどこまで上がるのか、想像できません。もしかすると1株10,000円に近い価格まで上がる可能性もあります。そこまで上がればすぐ売ってしまいますが、そうでなければ、(TOB価格よりは下がらないと思われるので)もうちょっと様子を見てもいいかなと思います。

売却しました

11月18日に1株9,000円で売却しました。

ほとんど売買の無かった閑散とした株だったのに、たくさんの人が集まって頻繁に売買されているようです。

まだ上がる可能性もありますが、自分の投資スタイルが配当を目的とした長期投資であることと、もう十分に高値だと思ったので退散します。

ビギナーズラックと言うんでしょうか、一生で何度も起こることではないと思いますが、貴重な体験をしました。

ABOUT ME
hazukei
「はずけい」と申します。 この度一児の父となりました。まだ実感はわかないのですが、猛烈に忙しくなりそうです。楽しみつつ頑張りたいと思います!