指標
PER:Price Earnings Ratio(株価収益率)
PER = 株価 ÷ 一株当たり当期純利益
・株価に一株当たり純利益の何倍の値段がつけられているか。低いほど割安。
・業種にもよるが、15倍以下なら割安と言える。
・何年で投資を回収できるか。
・計算に使う当期純利益は、予測値を使う(四季報オンラインの業績予測値を見る)
実質PER=株価÷(経常利益×65%÷発行済株式数)
法人税の税率が35%程度なので、65%を掛け算すれば、本業で稼いだ利益がわかる
PBR:Price Book-value Ratio(株価純資産倍率)
PBR = 株価 ÷ 一株当たり純資産
株価が一株当たりの純資産の何倍かを表す。1倍を割り込むと株価は割安とされる。
PBRが一倍以下なら、倒産したときに純資産を分割して株主が損しないようにできるかもしれない。
ROE:Return on Equity
ROE = 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100
・自己資本に対する収益率なので、どれだけうまく自己資本を使って稼げているかという指標
・高い方が将来有望
・10~20パーセントあれば優良企業
PBR = PER × ROE
PBRが低い理由として、ROEがある程度高くPERが低い場合は、お宝銘柄の可能性あり
ROA:Return On Assets
ROA = 当期純利益 ÷ 総資産
この式を変換すると、売上高利益率×総資産回転率という形になる。
ROAが高いということは、売上高利益率×総資産回転率も高いということ
5%以上であれば優良
売上高利益率 = 当期純利益 ÷ 売上高 × 100
売上高利益率は、売上に対する利益の割合がどのくらいか
業種によって違ってくるので一概には言えないが、10%を目指すべきとされる
総資産回転率 売上高 ÷ 総資産
総資産回転率は、売上を上げるために総資産を何回転させたか。数値が高いほど資産を効率よく活用している
製造業で1.5回、小売業で2回が目安
EPS:Earnings Per Share(1株当たり利益)
EPS(円) = 当期純利益 ÷ 発行済株式総数
一株当たりいくらもうけたのか、という指標。儲けたお金から配当金が出る。
配当利回り
配当利回り = 一株当たり配当金 ÷ 株価 × 100
配当金により年利何パーセントの利回りになるかを表す。
株価が下がったとしても、配当利回り5%以下にはなりにくい。
配当性向
配当性向(%) = 1株当たり配当金 ÷ 1株当たり当期純利益 × 100
利益に対してどの程度の配当を行っているかの指標。
利益がないのに配当金を無理して払っていないかどうかの評価もできる。
平均は20~30%だが、100%など高すぎる場合は、配当金が将来下がる可能性もあるので注意。
50%以下なら合格。
株主還元方針
配当などの株主還元に対する考え方を確認。
DOE(Dividend on equity ratio):株主資本配当率
配当金額を決定する際に、その期の業績ではなく、企業の資本に対する割合で配当金額を決める方式のこと。
1株あたり配当÷一株あたり自己資本で算出する。
営業利益率
「営業利益」÷「売上高」で算出
売上げに占める、利益の割合
10%は欲しい
利益率
営業利益(売上総利益 – 販売管理費)を売上高で割る。
10%は欲しい。
財務情報
自己資本比率
総資産の内、自己資本の占める比率
50%あると安心
利益剰余金
利益剰余金が総資産の30%あれば安心
有利子負債倍率
有利子負債の返済能力を測定する指標。
有利子負債倍率 = 有利子負債 ÷ 営業CF で計算される。
年間で稼ぐ何倍の有利子負債があるのかという指標、少ない方が良く、1以下であることが望ましい。
株価チャート
チャートを長期、短期で確認し、現在の価格が安いのか、高いのかを判断する。
3年チャートでの底値、上値確認
配当利回りが4%、5%、6%になる株価はいくらかを出してみていくらなら買いたいか考える。
キャッシュフロー
営業活動によるキャッシュフロー
物を仕入れて売る。それによって得たキャッシュを表すもの。
最重要で、プラスであるのが良い
営業キャッシュフローマージン
営業キャッシュフローが売上と比べて多いのか少ないのかを判断する指標。目安は15%。
営業キャッシュフローマージン(%)=営業キャッシュフロー÷売上高×100
投資活動によるキャッシュフロー
固定資産や投資有価証券の購入や売却などのキャッシュフロー、マイナスであれば投資をしていて、プラスであれば投資資産を売却しているという事
マイナスが良い
財務活動によるキャッシュフロー
借入れや、株式発行、配当金の支払いなど財務にかかわるキャッシュの増減をまとめたもの。銀行からの借り入れを行えばプラスになり、返済や配当を行えばマイナスになる。
マイナスの場合、借入返済や株主への配当をしている⇒OK
プラスだったら資金調達している⇒資金需要がある、本業でキャッシュが得られない分の穴埋めをしている可能性もあるので注意。
フリーキャッシュフロー
「営業活動によるキャッシュフロー」 + 「投資活動によるキャッシュフロー」で求められる値
会社が自由に使えるお金がどれくらいあるかという事、稼いだお金 - 投資に回すお金 =自由に使えるお金
基本的にはプラスが望ましい。
「営業活動によるキャッシュフロー」が-50で、「投資活動によるキャッシュフロー」が+100の場合、フリーキャッシュフローはプラスになるが、営業活動で得られなかった資金を、設備の売却などで穴埋めしている可能性がある。
「営業活動によるキャッシュフロー」が+50で、「投資活動によるキャッシュフロー」が-100の場合、フリーキャッシュフローはマイナスとなるが、身の丈に合わない投資をした可能性、もしくは、大きな勝負に出ている可能性がある。
業績の確認
・財務状況で売上高と経常利益の推移を確認、増加傾向にあり当期、来期も増加予想であれば◎
・過去10年の業績も確認して真の成長株なのかをチェック
・四季報の今号と前号を比べ、業績予測をチェック、上方修正されていれば◎
・3月に発表の決算が6月には確定している。3月の予想数値が上振れしたか下振れしたかで業績が好調かどうかを判断できる。
倒産注意確認
- 自己資本比率が低い
- 現金同等物に比べて有利子負債が多い
- 営業キャッシュフローがマイナス
- 累積損失がある(利益剰余金がマイナス)
- 債務超過である(自己資本がマイナス)
- 赤字が3年以上続いている
- 継続企業の前提に疑義の注記がある
買いポイント
- 外国人の持ち株比率や投信持ち株比率が数%程度の企業
決算短信
企業のHPか、Kabutanの決算速報-決算短信(PDF)から参照する。
・自己資本比率は、50%前後で優良、20~30%で良、中小企業では15%が平均。
・業績の変化で疑問を感じたら、決算短信の「経営成績等の概況」を見る。当期の財政状態やキャッシュフロー、今後の見通しが記載されている。
売上高、営業利益、経常利益の右側の数字(%)は、前期からの伸び率。
信用買残、信用売残
信用取引での残額を示す、買残は信用買いをしたけれどまだ売っていない⇒将来の売りエネルギー。売残は空売りしたけれどまだ買い戻されていない⇒将来の買いエネルギー。
信用倍率は信用買残÷信用売残で計算され、値が小さい方が買いエネルギーが強い。基本は1以上となることが多いが、1以下の場合は底打ちと判断され上がる確率が高い。
その他用語など
のれん
企業がM&Aを行ったときの、買収金額と、純資産の差額で、日本では20年以内に無形固定資産として計上する。企業のブランド力や、技術力、人財等目に見えない資産の評価。
例えば、100億円の価値があるA社を、120億円で買収する場合、差額の20億円がのれんである。20年で償却する場合、毎年1億円が「のれん償却」として計上される。
逆に100億円の価値があるA社を、80億円で買収すれば、差額20億円は収益として計上される。こちらは「負ののれん」と呼ばれる。