マインドフルネス瞑想という言葉を聞いたことがあるでしょうか。ストレスの軽減や記憶力向上などの効果があると言われています。
私は、1年間、一日15分の座禅(マインドフルネス瞑想)をやり続けたので、その感想や効果などを記載します。
何をやったのか?
毎朝6時半くらいに、壁に向かって座禅を組み、自分の呼吸のみに集中し、その呼吸を数えます。
すぐに頭が勝手に違うことを考え出すので、それに気が付いたら、もう一度呼吸に意識を戻します。
気が付くという事
座禅をしてどうなったのかを一言で表すとしたら「気が付くようになった」の一言に尽きます。
気が付くとはどういうことか
気が付くというのは、自分の感情、心の動きが見えるようになったという事です。
自分は今、怒っているな、悲しんでいるな、喜んでいるなといった感情にハッと気が付くことができるようになりました。
気が付くと何がいいのか
感情に気が付けばそれをコントロールしようと動く(立ち向かう)ことができます。気が付かなければ、なすすべなく感情に流されるしかありません。
自分の感情を冷静に見つめると、どうでもいいことで怒っていたり、勝手な妄想で心配になったりしていることに気が付きます。
些細な感情、妄想であれば、その場でそれを吹き飛ばしてフラットな状態に戻ることができます。
強い感情の場合は格闘して治める必要があります。ただし強い感情は波のように何度もやってくるので何度も戦う必要があります。
眠って夢を見ているときに、「これは夢だ」と気が付くと自由に動ける明晰夢のイメージが近いと思います。
どうして座禅で気が付くようになったのか
座禅そのものが、気が付く訓練になっているのだと思います。
座禅中は呼吸に集中しますが、1分もしないうちに頭が勝手に違う事を考え出します。(1年やってもこれはあまり変わりません。)
違うことを考えている自分にハッと気が付いて、また、呼吸に意識を戻すという事を15分の間に何度も行うことになります。
座禅で違うことを考えていると気が付く事が、筋トレと同じように自分の気づく筋肉を強くしているのだと思います。
見えた感情(印象深いもの)
怒りの心
怒りの心は、初めて自分が気付いた感情であり、感じる回数が一番い感情でもあります。
ほんの些細なことで生まれていますし、また、妄想によって急激に膨張するという特徴もあるようです。
ある時、私が道を歩いていると車が私の横スレスレを通り抜けていったことがありました。
「自分の車と運転を見せつけるためにわざとやったんだ」と決めつけ、さらに、自分が車にひかれてけがをして、働けなくなって家族が辛い思いをしていることまで勝手に妄想していました。
事実だけ見ればそんなに怒ることではないな、と思いました。
おごりの心
座禅を始めてから、半年以上たってからだったと思いますが、自分のおごりの心に気が付くようになってきました。
なにかをやり遂げた時、うれしいことがあった時、私はそれを何度も思い出し、浸っていい気持ちになっていることに気が付きました。
最初はおごりとは思わず、うれしいことを味わっているだけだから、これは(マイナスの感情とは違い)捨てる必要がないよね。と思っていました。
しかし、よく考えてみると、この気持ちに浸っている間は、他の感情と同じく何も生み出さない無駄な時間です。
また、喜びすぎ、自分を肯定しすぎれば、それに満足してしまい、そこからの成長は無いとも感じました。他人を見下すような心にもつながると感じました。
喜びの感情も度を過ぎれば、調子に乗ったおごりの感情となり、自分の毒となることがわかり恐ろしいとも感じました。
ねたみの心
私は、人の事をねたんでいるようなことは無いと思って生きてきました。
ところが、ニュースで事業を成功させた人や、自分より早く出世する同僚を見たときにモヤモヤしていることに気が付きました。
自分は意外と人の事をねたんでいたんだなと気が付くことができました。
座禅の効果
すぐに諦めなくなった
心が負けそうなときにぐっとこらえて、即リセット、ゼロベースで考える癖が付き、すぐに諦めなくなりました。
私は仕事で自分のキャパをオーバーするとパニックを起こし何からやっていいかわからないという状態になることがありました。
感情に気づくことになったことで、パニックを起こしそうになったことに気づき、いったん手を止めて全体を俯瞰してみることができました。
タスクを紙にすべて書き出して後ろ倒しにできるものを見える化すると、落ち着いて進めることができました。
いろいろな視点から物事を見られるようになった
物事を自分の方向から見るだけではなく、相手の立場や、まったく別の角度から見る癖がついたのは良かったなと思います。
ある時、仕事で先輩と意見が食い違い、険悪な雰囲気になってしまった事がありました。私は強い怒りを感じ、感情を治めるために様々なことを考えました。
「先輩の立場から見れば、確かにそうかもしれないな。」
「今辛いけれど、これを乗り越えれば強くなるはずだから試練をくれた先輩はむしろありがたい存在だな。」
「そもそも、宇宙全体から見れば自分の今の悩みなんてちっぽけなことだな。」
感謝を感じるようになった
時々なのですが、人に何かをしてもらったときに、感動にも似た、あふれ出るような感謝の気持ちになることがあります。
心の底から幸せな気持ちになり、相手や自分の周りにも幸せを分けてあげたいなと思います。
これから座禅を始めようと思っている方へ
まずは短い時間で習慣化するのがおすすめ
私が座禅を始めたきっかけは、どうしても達成したい目標があってその願掛けとして始めました。(結局その目標は達成できず座禅の習慣だけが残りましたσ(^_^;))
私は初めから15分でスタートしましたが、最初の1ヶ月くらいは時間が無限のように感じられてとても辛かったです。
ちょっとやってみようかなという方は、最初は3分くらいから初めて、まずは習慣化することをお勧めします。
短いなと思ったらだんだん時間を増やせばいいと思います。
自分の心が見えるようになったら読んでほしい本
1冊、おすすめの本を紹介します。
草薙龍瞬さんの「反応しない練習」という本です。
普通に読むだけでもいい本ですが、座禅で自分の心の動きが見えるようになってから読むと、「あー!わかるわかる!」というふうに腹落ちします。
本から得られる価値が3倍くらいになります。
私のメモ
座禅をしながら、その時感じたことをメモっていたので共有します。
いつ頃、どんなことを感じたかという事がわかって、参考になるかな、と思いました。
3ヶ月目 | ・自分の怒りに気づいた。 |
5か月目 | ・ニュースを見ていると頻繁に心が動いているのがわかる。 |
7か月目 | ・感情のコントロールはまだできない。 |
8か月目 | ・足がしびれて辛い。 ・乾いた畳の上で座っていられることにふと感謝を感じる。 ・諦めそうなときにこらえることができた。 |
9か月目 | ・足がしびれなくなってきた。 ・頻繁に自分の状態を意識していることに気づく。 ・自分の心の動きに敏感になっている。 |
10か月目 | ・自分の心に目を向ける回数が増える。 ・自分の思い上がりの感情に気が付く。 ・常に心臓を圧迫されているように心がざわつく。 |
11か月目 | ・断捨離をする、以前の自分では捨てられなかったであろうものが捨てられた。 ・心が折れそうになった時に、まっさらな気持ちで、ゼロベースで考えられた。 |
12か月目 | ・仕事で失敗して辛い、辛い気持ちが何度も押し寄せてくる、気づいて何度もリセットする。 ・心の底からあふれ出る幸福感を感じる。 ・座禅の後に心が落ち着いてすっきりしている。 ・座禅をしている時間が贅沢な時間だと感じる。 ・座禅の時間を20分にしてみる。 |
最後に
誰でも辛いことや、不安なことで頭がいっぱいになることがあると思います。
座禅中は自分の雑念に気づいたら、その瞬間にノータイムで捨て去ることがルールです。どんな感情にも支配されない時間はとても贅沢な時間だなとも感じています。
最近は、座禅の後、すっきりした気持ちになり、頭もクリアになっているように感じます。
まだまだ、新しい気づきがあるのではと思っているのでさらに続けていきたいと思います。
以上です。最後まで読んでいただきありがとうございました。